2015年12月09日

秋風の狂詩曲その6、上海にて

   むつみ会結婚相談室




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秋風の狂詩曲
その6、上海にて






1928年、首都が北京から南京に移され,
その玄関口となった上海は栄華を極めていた。

黄浦江に面して,ヨーロッパ様式のビルが林立し、
デパートのショーウィンドーには流行の商品が並び、
最新のファッションに身を包んだ男女が闊歩していた。


路面電車が走り、夜遅くまで街路灯が煌煌としていた。
誰ともなく東洋のパリと呼ぶようになった。

しかしそれは租界内の話で,そこから一歩出ると魔都
といわれ、軍閥による内戦と兵士らによる略奪暴行が
横行した。

そんな極端な二つの顔をもった、
だが不思議な魅力を醸し出す都会であったらしい。


父母が在住したのは、それから日中戦争を経て、
太平洋戦争勃発から敗戦に至るおよそ十年の期間である。

そのころの上海は列強の商社や領事館のほかに
青幇(チンパン)という中国人の秘密結社が隠然たる力

を持っていた。青幇(チンパン)の力を借りずには上海
で事を成す事は不可能といわれていた。


父はある(中国人富豪、中共化後は香港に行った)大人
を通して、青幇のシンジケートとのパイプを個人的につ
くっていた。

組織は血のつながりと形容されるほど結束が固かった。
どんな拷問にも屈しなかったのは大抵そのメンバーであった。

父は幾度か彼らを日本軍官憲の手から救ってやったことが
あった。青幇は恩義に厚く,

一度信頼したら絶対に裏切る事はない。
蒋介石、中国共産党など大小無数の軍閥も彼らに手出しで
きなかったくらいであった。

             (つづく)

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Posted by 熊本の結婚相談所むつみ会 at 14:05│Comments(0)秋風の狂詩曲自分・家族
 
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