2021年12月18日
葬について
葬について
”葬”は草っぱらに死をほっぱらかすと書く。
僕はキリマンジャロを見ながら死にたい。
サバンナの土に埋もれて、
雨風に打たれて、太陽に焼かれて、死にたい。
どうして人はベッドの上で死にたがる。
どうして人は誰かに看取られながら死にたがる。
白い壁の中でなく、生きとし生きてるものに
囲まれながら、死という名の神様に出会いたい。
生と死の交差地点に一人で佇みたい。
そして僕は呟くだろう。
僕にとってこいつは人間だった。
よくも悪しくも人を愛し、そして人を呪った。
どんな小さな希望も絶望と感じ、
絶望の中で小さな愛が芽生えた。
キリマンジャロも、ヒコーキ雲も
サバンナもスワヒリ語も、
アフリカゾウもキリンもシマウマも
ダチョウもライオンもイボイノシシも
きっとそうだろう。