2021年04月08日
マディソン郡の橋
結婚の中のロマンチックラブ
映画「マディソン郡の橋」より
ある女性の臨床心理士によると、
「自覚された生存戦略は肯定されなければならない」。
ずいぶん難しい言い方だが、噛み砕いて、そして誤解を
おそれずにいえば、
「諦めが肝心」ということになるのかも?
``
どんなに退屈極まる結婚生活でも、でも私はここで生き
るしかないと諦める生き方はyesとされなければならない。
多くの人たちがそうであるように、
またそうであるがゆえに、である。
それが社会という軛に繋がれて生涯を全うするというこ
とに他ならない。
``
ただしである、それが男と女というものよ、
人生なんてそんなものよ、なんて堂々と口に出していうよ
うになったら、あなたの人生は本当の意味でオシマイである。
そういう「諦めが肝心」なのではない。
日常生活から若さが失われた時、年齢にかかわらず、
あなたは正真正銘のオジン、オバンになってしまう。
しかもそんなオジン、オバンを周りに押し付ける迷惑千万
の存在に成り下がってしまうしかないのだ。
``
だからこそ、いつまでも、いくつになっても
「ロマンチックラブ」の意味がある。
諦めるということは、下手くそに悟るというこではない、
人間というのはなかなか悟ることはできないし、
その必要もないという、悟りの仕方だってあるのだ。
それを彼女は、
「自覚された生存戦略は肯定されなければならない」
といったのだと思う。
``
それにしてもこの一組のアラフォー男女の不倫のロマンチ
ックラブは、理想形というか、憧れのようなものである。
こういう素敵な巡り逢いは誰にでもあるものでもないだ
ろう。
女性は家庭という枠にとどまりながら、男性は放浪の人生
の中で、宝石のような四日間の思い出をしっかりと抱き続
けて、老いて死んでいった。
もしあの四日間がなかったら・・・ほとんどの人たちがそ
うなのだが、二人は幸せだったのか不幸せだったのか?
それは多分当事者である二人にもわからなかっただろうな。